臨床部(各部門紹介)

放射線技術科

臨床部(各部門紹介)

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エックス線撮影検査とは

 エックス線を用いて痛みを感じることなく、体の中の様子を調べる検査です。エックス線は人体等を透過する力が強く、また骨や筋肉等の組織の違いによってその透過力が異なります。この透過したエックス線量の違いを画像化し、骨折や異常陰影を写し出すことができます。

エックス線撮影室

X線撮影装置

胸部・腹部撮影(撮影室1,2,3,4)

 主に胸部や腹部を撮影します。立位のほかに患者様の状態によっては寝たままや車イスに座ったままでの撮影も行います。胸部撮影は肺野や心臓の大きさなどを調べ、腹部撮影は立位の状態では腸のガスなどの様子をみたりし、臥位では腎臓などの各臓器の様子や腎結石、尿管結石なども調べます。

<撮影時の注意事項>

 撮影部位によっては、支障となるネックレス、イヤリング、ピアスなどの金属類は外してもらい、ボタンのシャツ、刺しゅうや厚手の服などは脱いでもらい、検査衣に着替えていただくこともあります。また、派手な絵柄やプリントのTシャツも画像上に写し出されることがありますので、撮影時には、無地のTシャツ等が適しています。

胸部/腹部

胸部/腹部

骨・関節撮影(撮影室1,2,3,4)

 頭から足先までの各部位の骨や関節を撮影します。骨折、打撲、捻挫、関節痛などで整形外科を受診された方の撮影のほか、頭部、耳、鼻、脊椎などの撮影も行います。より詳しく検査をするために、同じ部位を多方向から数回撮影することもあります。

<撮影時の注意事項>

 撮影部位によっては、支障となるネックレス、イヤリング、ピアスなどの金属類は外してもらい、ボタンのシャツ、刺しゅうや厚手の服などは脱いでもらい、検査衣に着替えていただくこともあります。

全脊椎/手部/腰椎/頭部(副鼻腔)

全脊椎/手部/腰椎/頭部(副鼻腔)

歯科撮影(撮影室4)

 歯科口腔外科を受診された方に対し、歯根の状態、根管充填後、歯周炎の状態、インプラント埋入状況、埋伏過剰歯の精査・確認等を目的として、歯科撮影(デンタル、パノラマ、パノラマCT)を行います。

パノラマ(パノラマCT)装置/歯科撮影装置

パノラマ(パノラマCT)装置/歯科撮影装置

歯科(デンタル撮影)/パノラマ撮影/セファロ撮影/パノラマCT(3D画像)/パノラマCT(MPR画像)

歯科(デンタル撮影)/パノラマ撮影/セファロ撮影
/パノラマCT(3D画像)/パノラマCT(MPR画像)

乳房撮影(撮影室5)

 一般的にマンモグラフィと呼ばれています。この検査は、乳房内に隠れているしこりなどの病気をX線写真上に写し出す検査です。乳房は柔らかい組織でできているので、専用の装置を使って撮影します。乳房を圧迫してなるべく均等の厚さにすることが必要で、より良い写真を撮るために少しの間、圧迫による苦痛をおかけすることとなります。

 当院は、『マンモグラフィ検診施設認定』を取得し、マンモグラフィ撮影認定技師をはじめとした、女性技師が検査を担当しております。

乳房撮影装置/両乳房斜位像(MLO)

乳房撮影装置/両乳房斜位像(MLO)

救急対応撮影室(撮影室6)

 救命救急センターを受診された方に対し、X線撮影を優先して行います。CT撮影室と共に救急外来待合に併設されており、救急患者の速やかな撮影に対応することができます。

 当院は、日本救急撮影認定技師機構の指定する県内唯一(平成29年現在)の指定実地研修施設です。地域を代表する施設として、当院の救急撮影認定技師が院内だけでなく、院外の診療放射線技師に対する救急撮影の教育、指導、他職種連携に取り組んでいます。

移動型X線撮影装置(救急外来)

移動型X線撮影装置(救急外来)

骨密度測定

 骨密度測定とは、骨折による「寝たきり」の原因となる骨粗しょう症の検査です。骨粗しょう症による骨折は腰椎、大腿骨近位部(股関節)、手関節に多いことから、これらの骨折好発部位の骨密度を直接求めて、骨折の危険度(リスク)を調べます。当院の検査装置は、全身の骨密度を測定できるタイプです。この検査を行うことにより、骨粗しょう症の診断のみならず、脂肪量および除脂肪量を右腕、左腕、右足、左足のような部位ごとの算出が可能です。適応例として、内分泌疾患、スポーツ医学、メタボリックシンドローム等があり、また、要介護リスクとして、骨だけでなく周囲の筋肉量により、下肢全体の運動機能低下のある状態評価(転倒リスク)としても用いられ、様々な症例に対して的確な撮影や検査、測定/評価、分析を行います。

骨密度測定装置

骨密度測定装置

エックス線TVとは

 エックス線TVとは、エックス線を使って、体の中を透視し検査するための装置です。

X線TV装置

X線TV装置

エックス線TV(X-TV 1、2、内視鏡X-TV)

 バリウムなどの造影剤を飲む胃透視検査や大腸の中にバリウムを入れて検査する注腸検査などで使用されています。その他では、骨折や脱臼した骨を元の位置に戻す整復術、腸閉塞を起こした時のお腹の中に管を入れるための確認の検査、リハビリによる患者様の嚥下の状態を観察する検査、婦人科の不妊治療、泌尿器科の尿管留置術などの治療にも使用します。

胃透視/イレウス管挿入/尿管造影

胃透視/イレウス管挿入/尿管造影

血管撮影とは

血管は通常の単純撮影では、観察することができないため、血管に造影剤を流しながら、エックス線を使って連続的に撮影して、全身の血管性病変(動脈瘤、奇形、梗塞、虚血、狭窄など)の診断をしたり、腫瘍の診断や腫瘍の栄養血管の特定にも使用する検査です。

最近では、このカテーテルを用いて血管の狭い部分を拡げたり、がん等を治療するために抗がん剤を注入したり、腫瘍や動脈瘤の血流を遮断するために塞栓物質を挿入したりする、血管内治療(Interventional Radiology:IVR)が、盛んに行われています。

検査方法は、脚の付け根(大腿動脈)、肘(上腕動脈)、手首(橈骨動脈)などの動脈から、1~2mm径の極細い管(カテーテル)を挿入して、目的の血管まで進めていき、造影剤を注入して、血管の走行や状態、腫瘍の染まりなどを撮影します。

当院では、このような手技の行える血管撮影装置が4台稼動しています。

血管撮影部門は医師、看護師、診療放射線技師、臨床工学技士(心カテ時)がチームを組み、チーム一丸となり24時間の診療体制を整えています。

当院設置装置

血管撮影室操作室

【血管撮影室操作室】

バイプレーン装置

【血管撮影室2(バイプレーン装置)】

心臓カテーテル室1

【心臓カテーテル室1(バイプレーン装置)】

心臓カテーテル室2

【心臓カテーテル室2(モノプレーン装置)】

心カテ室操作室

【心カテ室操作室】

IVR-CT装置

【ハイブリッド手術室】

血管撮影検査で得られる画像

骨組織や軟部組織などを消去し血管のみ描出するDSA画像(頭部や腹部の検査)や、骨組織や軟部組織なども一緒に表示するDA画像(心臓の検査)の2種類があります。

DSA(Digital Subtraction Angiography)とは、撮影した造影画像から、造影剤のまだ入っていない単純画像を、コンピュータを使用して瞬時に引き算し、造影剤画像(血管など)のみを描出させる撮影技術です。(DSA画像の方が、細かい血管までよく分かります。)

頭部血管(DA画像)

頭部血管(DA画像)
動画を見る:479KB

頭部血管(DSA画像)

頭部血管(DSA画像)
動画を見る:286KB

心臓の血管(右冠動脈)

心臓の血管(右冠動脈)
動画を見る:1.4MB

心臓の血管(左冠動脈)

心臓の血管(左冠動脈)
動画を見る:1.1MB

左心室造影

心臓の血管(左冠動脈)
動画を見る:1.7MB

 

ハイブリッド手術室

2018年にハイブリッド手術室が完成しました。血管撮影装置と外科手術の設備を組み合わせ、同時に正面、側面の2方向からのエックス線透視と撮影が可能なバイプレーン装置を山陰で初めて取り入れています。脳疾患や心疾患手術の精度を高め、患者さんの負担を減らすことができます。透視画像に術前のCTやMRI画像を融合させて、大型モニターに表示する機能も備わっています。患者さんの血管に細い管・カテーテルを通す複雑な操作の確度が高まり、手術時間の短縮や安全性の向上につながるなど、より良い環境で治療を行っています。

(島根県立中央病院広報誌『えにし』より抜粋)

ハイブリッド手術室2

心ハイブリッド手術室3

ハイブリッド手術室4 ハイブリッド手術室5

ハイブリッド手術室

(2019.07 更新)

CT撮影とは

CTとは、Computed Tomographyの略称で、エックス線とコンピュータを使って、体の中を輪切りにした画像を撮影する検査です。

当院には、320列MDCT1台、80列MDCT2台の計3台のCTが稼働しています。非常に高速な撮影が可能ですので、胸やお腹の検査でも、一回の息止めで鮮明な画像を撮影することができます。

また、3次元処理を行うことにより、輪切りだけでなく縦横斜めといった、あらゆる方向から見た断面像や、血管や骨、臓器などの立体画像(3D)を創ることができます。

さらに、心臓の撮影が可能で、心臓の血管の状態や心機能を検査することもできます。
血管や心臓、臓器の詳しい検査など部位や検査目的によっては、造影剤という薬剤を静脈注射して検査する場合があります。

(320列マルチスライスCT装置)

320列MDCT

造影剤による検査について

検査によっては、疾患を正しく診断するために、造影剤と呼ばれるお薬を、手や足の静脈から注射します。造影剤により、極まれに副作用が見られることがあります。

次の既往がある方は事前に申し出て下さい。
副作用が起こった時適切な処置を行うために、検査前4時間は絶食が必要です。

  • 喘息やアレルギー体質の方
  • 造影剤を使用して気分不良等の副作用を経験された方
  • 腎臓や肝臓の病気がある方
  • 妊娠中の方や、その可能性がある方

CT検査で得られる画像

頭部領域

頭部AX

頭部Ax
動画を見る:2.3MB

頭部血管3D

頭部血管3D
動画を見る:4.6MB

 

体幹部領域

胸腹部(横断像)

体幹部Ax
動画を見る:7.1MB

胸腹部(冠状断像)

体幹部Co動画
動画を見る:2.3MB

大血管3D

大血管3D
心臓領域

心臓3D

心臓3D動画
動画を見る:6.1B

 

 

上下肢領域

足部3D

足部3D

下肢血管

下肢血管動画
動画を見る:1.8MB

 

(2019.07 更新)

MRI検査とは

MRIとは、Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略称です。強い磁石と電波を使って身体を動かさずに、あらゆる方向(縦・横・斜め)から身体の中の様子を写し出すことができます。

当院では、1.5ステラと3.0テスラの装置が2台稼動しています。(テスラ:磁石の力を表します。)

エックス線を用いないため被ばくの心配はありません。検査中は狭い筒の中に入り、非常に大きな音がします。また、患者さん自身が動くと写真がきれいに撮れないため、低年齢のお子さんは、麻酔をかけることがあります。

検査目的によって造影剤という薬を使用します。
検査時間は20分~1時間です(検査内容によって異なります。)。

(3.0テスラ MRI装置)

3.0テスラ MRI装置

(1.5テスラ MRI装置)

1.5テスラ MRI装置

MRI検査を受けられる方へ

検査室は、強い磁力が働いてあるため、電子機器や装飾品を持ち込むことができません。また、体内金属の素材によっては検査を受けることができないことがあります。

次のような方は、検査前に必ず申し出て下さい。

  • 心臓ペースメーカーや人工内耳などの機器が体内に入っている方
  • 動脈瘤クリップ、心臓人工弁や人工関節など金属が体内に入っている方
  • 妊娠中または、その可能性のある方
  • 狭い空間が苦手の方

ネックレスやヘアピンなどの金属装飾品、磁気カードや携帯電話など磁気の影響を受けるものは検査に支障を及ぼす可能性があるため持ち込むことができません。身につけている金属類は原則外してもらいます。

分からない事や不安な事がありましたら、遠慮なくスタッフに申し出て下さい。

造影剤による検査について

検査内容によっては、より正確に診断するために、造影剤と呼ばれる薬を手や足の静脈から注射します。造影剤により、まれに副作用が見られることがあります。

検査前4時間は絶食が必要です。
次のような方は、検査前に必ず申し出て下さい。

  • 造影剤を使用して気分不良等の副作用を経験された方
  • 喘息やアレルギー体質の方
  • 腎臓や肝臓の病気がある方
  • 妊娠中または、その可能性のある方
  • 授乳中の方

MRI検査で得られる画像

頭部領域

脳腫瘍や脳血管性疾患(脳出血、脳梗塞)などの診断に有用です。

胸腹部領域

胸部は縱隔腫瘍、腹部は肝臓・膵臓・骨盤内の腫瘍性疾患などに有用です。
脊椎はヘルニアや脊髄腫瘍、化膿性脊椎炎などの疾患に有用です。

<胸腹部>

胸部横断面図 胸部横断面図 胸部横断面図

<腰椎>

腰椎縦断面画像 腰椎横断面画像

<骨盤部>

骨盤部縦断面図 骨盤部横断面図

四肢領域

関節の靱帯損傷や膝関節の半月板損傷などに有用です。
小さな骨軟部腫瘍も撮ることができます。

<膝関節> <手指> <股関節>
膝関節 手指 股関節
心血管領域

心肥大や心筋梗塞などの診断に用いられます。

1秒間に連続で30枚近くの写真を撮り、心臓の動きを観察することもできます。

血管系は造影剤を使用して描出することもできますが、造影剤を使用せずに血管を描出することが可能です。身体のあらゆる血管(動脈、静脈)を描出することができます。

<心臓> <下肢静脈> <頭部血管>
心臓 下肢静脈 頭部血管

核医学検査とは

核医学検査とは、微量の放射線を出す放射性医薬品(RI)を体内に投与し、身体の状態を画像や数値で捉える検査です。

核医学検査は、CT、MRIのような画像診断の一つです。RIが臓器や体内組織などに集まる様子を画像化し、病期の診断、予後の確認、治療効果の判定などに有用な情報を提供します。

CTやMRIによる画像は、精度の高い形態的な画像情報を提供しますが、核医学検査では、血流や代謝などの機能的な変化を画像情報として提供するので、病気による形態上の変化が現れる前の微妙な兆候を、より早期に捉えることができます。

(3検出器型ガンマカメラ)

3検出器型ガンマカメラ

(2検出器型ガンマカメラ)

2検出器型ガンマカメラ

検査を受けられる方へ

核医学検査はほとんどが予約制です。薬の有効期限が当日限りのものが多いため、必ず指定の日時に病院へお越し下さい。

検査前や検査当日に守っていただく事項がありますので、予約時に医師の指示に従って下さい。

Q&A

Q.どのような検査ですか?

A.放射性同位元素を含んだ「放射性医薬品(RI)」という検査用の薬を注射や内服した後、体内に投与したRIから放出される放射線を専用のカメラで検出し、その分布を画像にしたものです。脳血管障害、心臓病、癌の早期発見・経過観察などに有効とされています。ベッドに寝ているだけで検査ができます。

Q.どれくらい時間がかかりますか?

A.核医学検査には、体内の臓器別に多くの検査の種類があり、それぞれの検査によって用いる薬が異なり、検査にかかる時間(20分~1時間程度)も異なります。注射後、検査までしばらく待っていただく場合や、後日に検査する場合もありますので、予約時にお聞き下さい。

Q.お薬は安全ですか?

A.「放射性医薬品」は微量の放射性同位元素を含んだ薬ですが、副作用はほとんどありません。また、体の中に入った薬からは放射線が出ますが、これは極微量で、専用のカメラで検出できる最小限の量です。検査を受ける本人自身や周辺の人への影響について心配ありませんので、安心して検査を受けることができます。

核医学で得られる画像

【骨シンチグラフィ】
骨の代謝が盛んなところ(例えば、骨転移、炎症、骨折、打撲など)に特異的に集まるRIを体内に投与し、専用のカメラを使って身体から出る放射線を画像化する検査です。20分程度で全身の画像を撮影ができます。

骨シンチグラム画像

【心筋シンチグラフィ】
心筋の血液のめぐりや、心臓が受けているダメージ・機能を調べることができます。 20分程度で撮影ができます。場合によっては2回撮影することもあります。

心筋シンチグラム 心筋シンチグラム

【脳血流シンチグラフィ】
脳梗塞や脳出血などによる脳血流の異常、脳腫瘍・てんかん・外傷などによる脳血流の異常、 認知症などを調べることが出来ます。30~60分程度で撮影ができます。

脳血流シンチグラム 脳血流シンチグラム

PET-CT検査とは

PET(ペット)検査とは、がんを検査する方法の一つです。


PETはpositron emission tomographyの略称、陽電子断層撮影という言葉の頭文字をとった略称です。 通常、がんは、ある程度の大きさになったり、体に変化が起きてから見つかることが多いため、がん細胞の成長がある程度進んでからでないと発見しにくい病気です。

「がん細胞は正常細胞に比べ3~8倍のブドウ糖を取り込む」というがん細胞の性質を利用しており、全身の細胞のうち、がん細胞だけによりはっきりとした目印をつけることができるため、早期のがんの発見も期待できます。

PET-CT検査とは、CT装置を併用することで、高精度に位置合わせが可能になります。そのため、さらに鮮明な画像で、腫瘍の位置や大きさを撮影することができ、より詳しく診断できます。

また、1回の検査でほぼ全身を調べられ、がんの早期発見、病期(進行度)診断、転移、再発を調べるのに特に重要な検査とされています。また、がんの可能性が疑われながら他の検査で病巣が発見できない原発不明がんの診断にも用いられ、予想外のがんの発見に威力を発揮することもあります。

(PET/CT装置)

PET/CT装置


(イラスト1)

[がん細胞は正常細胞の3~8倍もの糖を摂取します]


(イラスト2)

PET-CT検査を受けられる方へ

PET-CT検査を受けるときは、適切な検査を行うために、下記の事項についてご理解くださいますようお願いいたします。


  • 検査前、6時間は絶食してください。
    食事や飴、ガムを含めた甘い食べ物、糖分やカロリーのあるジュースや牛乳、アルコール類を予約時間の6時間前から摂取しないでください。また、前日の夜の暴飲・暴食は検査結果に影響を及ぼしますので、必ず控えてください。
    お水やお茶は充分にお摂りください(糖分を含んだものは摂取しないでください)。

  • 検査前日と当日の運動は控えてください。
    検査前日と当日は、過度の運動(長距離の徒歩・自転車での来院、畑作業やカラオケ等)をしないようにしてください。診断の妨げになる場合があります。また、徒歩や自転車で来院された方は、来院後30分以上安静にしてから検査をいたします。早めに来院してください。

  • 検査日時に忘れずに来院してください。
    予約日時に来院できない場合は、すぐに当院まで連絡してください。

  • 糖尿病の方は医師にお申し出の上、指示に従ってください。
    血糖値が高い状態で検査を行うと病変が検出しにくくなることがあります。前処置等が変わってくる場合がありますので、医師の指示に従ってください。

その他、詳細については検査予約時に発行される検査説明書をご参照ください。
ご不明なこと・ご心配なことがありましたら依頼医師にお尋ねください。

放射線治療とは

放射線とは、高いエネルギーを持った電磁波や粒子線のことです。

放射線は、目で見ることができず、生体を通過し、まったく痛みを感じません。

放射線は、DNAに作用して細胞にダメージを与えます。がん細胞や正常ではない細胞は、増殖力が強い反面、遺伝子の修復力が弱いため、放射線を受けることにより、正常細胞より強くダメージを受けます。これを利用したのが、放射線治療です。

放射線治療は、高エネルギーの放射線を、がん細胞等に照射することで、がん細胞を死滅させます。

(放射線治療装置(リニアック))

放射線治療装置(リニアック)

放射線治療の流れ

1)診察

放射線治療医が、放射線治療の依頼をもとに診察を行います。
その際に、治療内容等を決定し、説明します。

2)治療計画

治療計画を行うためにCTを撮影します。
治療を行う時と同じ姿勢で撮影し、その後、皮膚に印をつけます。
治療を行う場所によっては、体に合せた固定具(マスクなど)を作成する時があります。
撮影した画像をもとに、専用のコンピュータを使用した治療計画を行います。

3)治療

治療時間は照射部位や方法などにより異なりますが、治療部位の位置あわせや着替えなどの時間も含めて10~20分くらいです。(ただし、初回の治療は照射位置の確認などを行いますので少し時間が掛かります。)

4)診察

治療期間中にも、定期的に診察を行います。

高精度放射線治療

強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)

通常の放射線治療では、放射線が照射されている部分(これを照射野といいます)の中では、放射線の強さは同じです。そのため、がんなどの近くにある正常な臓器にも、同じ程度の放射線が照射されます。

IMRTでは、最新のテクノロジーを使用して、照射野内の放射線の強度を変化(変調)させて照射を行います。それにより、がんなどの形に合せた複雑な照射が可能となり、近くにある正常な臓器への線量を抑えた、線量分布を作ることができます。

【ある1方向からのIMRTによる治療の線量分布図】

一方で正確なIMRTの治療を行うためには、照射を行う際の線量や位置の精度に関する複雑な検査(検証といいます)が必要なため、通常の治療に比べて、治療を始めるまでに、時間がかかります。

ある1方向からのIMRTによる治療計画の線量分布図です。
色の違いは放射線の強さの違いであり、このように放射線の強度を変化させて照射を行います。

通常の治療計画

【通常の治療計画】

IMRTによる治療計画

【IMRTによる治療計画】

上の図は前立腺における、通常の治療とIMRTによる治療計画の線量分布図です。赤い色が強いほど放射線が強くあたっています。通常の治療に比べて、中央付近の前立腺のすぐ下の直腸にあたる放射線の量がIMRTでは少なくなっています。

専門・専任スタッフによる放射線治療

現代の医療は専門化がとても進んでおり、放射線治療の分野においても言えることです。

当院では、常に最新の放射線治療に対応するため、下記の専門・専任のスタッフが常駐し、治療の精度及び、放射線治療全体の品質の管理を行っております。

日本放射線治療専門放射線技師認定機構認定 放射線治療専門放射線技師
日本放射線治療品質管理機構認定 放射線治療品質管理士
医学物理士認定機構認定 医学物理士

Q&A(よくある質問)

Q 放射線治療の副作用はどの程度ですか?

A 放射線治療によって起こる副作用は様々です。
他の治療と同様に、放射線治療も効果と副作用のバランスの上に成り立つ治療と言えます。効果のみで副作用が全くないということはありません。また、副作用の種類や程度は、病気や治療を行う場所によって様々な症状がありますが、ほとんどの場合が軽度、もしくは一時的なものです。

Q 放射線治療を受けると髪の毛が抜けますか?

A 頭部に放射線が当たらない方は大丈夫です。
放射線治療による影響は放射線が当たった部位のみです。それもある一定量以上の放射線が当たった場合に影響が出ます。したがって、頭部に放射線が当たっていない場合や放射線の量がわずかの場合であれば、髪の毛が抜けることはありません。

Q 他の人と比べて自分は回数が多いのですがなぜでしょうか?

A 治療の回数は単純には比較できません。
放射線治療の計画は、目的(根治、緩和、予防など)や場所、併用している治療など様々な要素によって変わってきます。重症だから回数が多いなどということはありません。

Q 放射線治療中に風呂や温泉に入ってもいいですか?

A お風呂に入られてもかまいません。
放射線治療中の入浴は、皮膚などの清潔のためと気分的なリラックス効果が得られるため、原則的には勧められます。ただし、注意すべき点として皮膚炎などの合併症が考えられますので、あまり熱いお風呂や刺激の強い温泉などはお勧めできません。ぬるめのお湯で短い時間できりあげると良いでしょう。

Q 放射線治療がすべて終わったら印を消してもいいですか?

A 基本的には消してもらってもかまいませんが、自然に消えるのを待ってください。
通常は放射線治療が終わるころには、皮膚炎が起こっている可能性があり、それが終了後1週くらいは増強することもあります。あまりこすったりせず、自然に消えるようにしましょう。