認定薬剤師

認定取得状況

 薬剤師は、医療の担い手の一員であり、高度化する医療の進歩に伴い、薬剤師としての専門性を生かしたより良質な医療を提供するため、高度な薬物療法等について知識・技術を備え、国民の保健・医療・福祉に貢献することが求められています。
 当院では、日本医療薬学会や日本病院薬剤師会等が認定する専門薬剤師等を目指して、日々研鑽に努めています。また、認定取得に必要な院内外の研修への参加について支援を行っています。

日本医療薬学会認定薬剤師4名
日本医療薬学会指導薬剤師1名
日本病院薬剤師会認定実務実習指導薬剤師18名
日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師19名
日本医療薬学会がん専門薬剤師3名
日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師3名
日本病院薬剤師会感染制御専門薬剤師1名
日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師1名
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師1名
日本医薬品情報学会医薬品情報専門薬剤師1名
日本病院薬剤師会精神薬物療法認定薬剤師2名
日本病院薬剤師会妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師2名
日本臨床救急医学会救急認定薬剤師1名
日本褥瘡学会認定褥瘡薬剤師1名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師4名
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師13名
日本糖尿病療養指導士1名
島根県糖尿病療養指導士4名
日本静脈経腸栄養学会栄養サポートチーム専門療養士2名
日本アンチ・ドーピング機構公認スポーツファーマシスト1名
日病薬病院薬学認定薬剤師11名
JPALS認定薬剤師 レベル54名

2019年2月現在

がん専門薬剤師研修施設

 がん専門薬剤師とは、がん領域における薬物療法等についての高度な知識と技術を用いて、医療機関において質の高いがん薬物療法を実践する者として、日本医療薬学会が実施するがん専門薬剤師認定審査ならびにがん専門薬剤師認定試験に合格した者をいいます。
 薬剤師に係る資格として、初めて医療法上広告が可能となる資格です。
 当院は、一般社団法人 日本医療薬学会の「がん専門薬剤師研修施設」として認定されています。

認定薬剤師の業務

 当院の認定薬剤師は専門的な知識を活かして、院内で様々な仕事を担っています。
 認定薬剤師の院内での仕事をご紹介します。

がん専門薬剤師/がん薬物療法認定薬剤師

がん専門/認定薬剤師は、常に最新のがん薬物療法に関する情報を収集し、医師や看護師と協力しながら院内で用いられるレジメン(対象となるがん腫、抗がん薬や吐き気止め等の副作用対策薬の投与スケジュールや注意点をまとめたもの)のチェックを行っており、院内で中心的な役割を担っています。これにより、院内におけるがん薬物療法は適切かつ安全に行えています。また、医師、看護師や他の薬剤師に対しては、抗がん薬の適正使用に関する情報提供やアドバイスを行っています。病棟や外来では、患者さんに対してがん薬物療法についての説明、副作用のチェックおよび処方等の提案も積極的に行っています。

感染制御専門・認定薬剤師/抗菌化学療法認定薬剤師

病院では、免疫力が低下した人や乳幼児、高齢者など感染症にかかりやすい患者さんが多く集まっています。感染制御専門・認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師は科学的根拠に基づき、感染症治療の中で耐性菌を発生させにくくより効果的な抗菌薬の提案や、抗菌薬使用状況のモニタリングを行っています。また、感染症を伝播させないために消毒薬等の適正使用への取り組み(感染制御)も行っています。

医薬品情報専門薬剤師

医薬品情報管理室(以下、DI室)の薬剤師は、医療スタッフからの薬に関する質問に答えたり、病院全体の患者さんにより適切で安全な薬物治療を提供するにはどの薬を採用すべきか、どのような安全対策を立てるべきか等について広い視点で最新の情報を収集し、評価を行ったうえで、関連する部署に分かりやすい形で情報提供しています。また、薬の安全性が懸念される情報が出された際には、院内へ情報を周知するとともに処方患者さんを特定し、処方医や病棟担当薬剤師へ情報提供を行う等の業務を行っています。医薬品情報専門薬剤師は、DI室のリーダーとして院内における医薬品の適正使用を支えています。

精神科薬物療法認定薬剤師

精神科薬物療法認定薬剤師は、精神科病棟での業務を中心として活動を行っています。精神疾患の薬物療法は、薬の必要性を認識して服薬を継続することが重要です。薬の自己中断により病気が再燃するケースは少なくありません。患者さんに納得して安全に服薬が続けてもらえるよう、服薬指導、副作用の確認、患者さん個々に合わせた処方設計等、患者さんとコミュニケーションを取りながら、向精神薬の専門知識を活かして医師、看護師などの医療従事者と連携して精神疾患患者さんの薬物療法を支援しています。また、認知症ケアチームにも参加し、病院全体の認知症患者さんの入院生活のサポートを多職種と連携して行っています。

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師

「薬を飲んでいるけれど、この先妊娠しても赤ちゃんに影響はないかしら...。」「妊娠していることに気付かずに薬を飲んだけれど...心配。」「授乳をしたいけれど薬を飲んでもいいの?」など、妊娠や授乳と薬に関するいろいろな相談を受けます。薬を使った本人だけでなく、胎児や乳児への影響なども考える必要があります。妊婦・授乳婦の薬の使用における情報は少ないことが多く、日本国内だけでなく海外の情報も収集・評価し、医師と協働して対応しています。

認定褥瘡薬剤師

褥瘡治療において外用薬を用いることが多くあります。外用剤の選択や使用方法を誤ると創の治りが遅くなるだけではなく、逆に創の状態を悪化させることもあります。薬剤師として個々の外用薬の特性を把握して、創の状態に適した外用剤を選択し、使用方法の助言を行うことで創の治癒を早めることが期待できます。また、外用剤の副作用は局所症状のみではなく全身症状を起こすことがあり、その管理も必要です。そのほか、栄養や下痢のコントロールなど褥瘡に関わる薬剤師に求められていることは多くあります。

栄養サポートチーム専門療養士

栄養サポートチーム専門療法士は、栄養サポートチーム(NST)を中心に患者さんが適切な栄養療法を受けられるよう活動しています。
NST専門療法士は看護師や管理栄養士、臨床検査技師など様々な職種がいて、それぞれの専門分野を生かして栄養管理方法の提言などを行っています。
栄養輸液や栄養剤の使用方法をアドバイスするのはもちろんのこと、吐き気や下痢など薬の副作用が患者さんの栄養状態を悪くしている場合もあり、そういう時は薬の変更や中止を提案することもあります。また、研修会を開催して、他の医療スタッフに栄養療法についての知識を広める活動もしています。

日本糖尿病療養指導士/島根県糖尿病療養指導士

糖尿病は食事や運動など自己管理が重要な疾患です。糖尿病療養指導士は看護師や栄養士など他職種が認定を受けており、各専門知識を活かして患者さんがより良い治療を受けるためのお手伝いをしています。薬剤師としては、糖尿病教育入院の患者さんに集団で飲み薬や注射薬の説明を行ったり、糖尿病患者会で糖尿病薬の説明を行っています。また、他の職種と協働して、糖尿病デーのイベントなどで院内や地域住民への啓発活動を行っています。