脳神経外科

更新日 令和4年4月1日

診療科概要

脳神経外科の特徴

脳神経外科は、患者さん本意の医療を提供し、患者さんより選択されるべく信頼される医療を目指しております。

また、若い医師を育てることを重視しています。

最新の脳神経外科治療について

①脳神経外科領域における直達術と血管内治療(脳動脈瘤及び頚部内頚動脈狭窄について)

脳動脈瘤に対するクリッピング術,頚部頚動脈狭窄症に対する内頚動脈内膜剥離術は従来から行われ、エビデンスレベルの高い確立された治療ですが、ここ最近、これらの疾患に対する血管内治療として、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、また頚動脈狭窄症に対するステント留置術が施行されるようになり,治療成績も従来治療と比較して勝るとも劣らない結果が得られるようになっています。血管内治療の利点として、低侵襲で術後の回復も早く、全身合併症により手術リスクが高い症例も治療可能であり、直達術で到達困難な部位も容易に到達が可能であることなどが挙げられます。その一方で虚血性合併症の可能性があることや、長期的なフォローアップが必須であることなど注意すべき点もあります。我々の施設では,各々の症例で確実性,安全性を見極め直達術と血管内治療の選択を行い、より高いレベルでの治療を目指しています。




②超急性期脳梗塞における血行再建治療

脳梗塞超急性期にいかに早く脳血流を再灌流させるかは、予後に最も影響を及ぼす重要な課題です。現在、再灌流治療としてtPA静注が最初に行われる治療であり、約50%程度で再灌流が得られ症状改善が期待できますが、効果が得られない症例も約半数存在します。tPA無効例の主幹動脈閉塞例に対しては、血管内手術での再灌流治療が効果的であり、最近開発された血栓回収デバイス(吸引デバイスやステントデバイス)を使用することで90%近い再灌流率となっています。当院ではtPA静注療法が無効であると判断された症例に対して、最新の血栓回収デバイス、血管形成デバイスを用い、積極的に血管内治療による再灌流療法を行っており、良好な再灌流が得られています。当院では2019年より「急性期脳梗塞から命を守るプロジェクト」を立ち上げており、1秒でも早い脳血管再開通を目指して、救急隊とも連携しております。


脳神経外科で行われる主な疾患、手術について

手術で改善する顔面の症状(けいれん、痛み)や無症状でも放置すると危険な病気(脳動脈瘤や頚動脈狭窄症)などもあり、気になることがあればご相談ください。

①脳卒中を予防するための手術

未破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術、コイル塞栓術

脳動脈瘤とは、脳の血管に生じる瘤(図左)で、破裂するとくも膜下出血となり、重症となる可能性があります。脳動脈瘤の破裂を防止する治療として、開頭手術であるクリッピング術(図中)とカテーテル手術のコイル塞栓術(図右)があります。

内頚動脈狭窄症に対する頚動脈内膜剥離術、頚動脈ステント留置術

内頚動脈内膜が肥厚し狭窄が生じると,脳梗塞の原因となります。狭窄を改善させ、脳梗塞を予防する手術として、切開し肥厚した内膜を摘出する頚動脈内膜剥離術(図左)とカテーテル治療である頚動脈ステント留置術(図右)があります。

頭頚部血管閉塞に対する頭蓋内外血管バイパス術

頚動脈や頭蓋内血管の狭窄が進行し血管閉塞を生じることがあります。脳血流が低下している場合は脳梗塞発症の危険があります。脳血流を改善させ、脳梗塞を予防する手術として、頭皮を灌流する浅側頭動脈と脳血管(中大脳動脈)を吻合するバイパス術があります。

②脳卒中に対する外科的治療

クモ膜下出血(破裂脳動脈瘤)に対するクリッピング術、コイル塞栓術

脳動脈瘤(図左)が破裂するとくも膜下出血となり、高率に再破裂を生じ重症状態となります。再破裂を防止する治療として、開頭手術であるクリッピング術(図中)とカテーテル手術のコイル塞栓術(図右)を行います。

脳梗塞に対する血栓回収術

脳梗塞発症後の最初の治療は、tPAという血栓溶解薬の点滴ですが、tPA治療の適応とならない場合や効果が得られないこともあります。この場合、可能であれば血管内に詰まった血栓を回収するカテーテル治療を行います。

脳出血に対する内視鏡的血腫除去術

高血圧が原因で脳出血を発症することがあります。血腫量が多く機能障害が重篤な場合、その後の機能改善を早く得るために血腫除去する手術が有効なことがあります。可能であれば内視鏡を用いた小さな開頭でより低侵襲に血腫除去を行います。

③脳腫瘍に対する手術

脳腫瘍摘出術

脳腫瘍は、発生部位、性状などにより数多く分類され、その治療方法も様々です。腫瘍による症状がある時や、将来的に出現する可能性がある場合、可能であれば腫瘍摘出術を行います。脳腫瘍の摘出に際しては、脳機能を障害しないように、頭蓋底手術手技、脳神経モニタリングや術中ナビゲーションシステムを用いて行います。

④顔面けいれん、三叉神経痛(顔面疼痛)に対する手術

神経血管減圧術

顔面けいれん及び三叉神経痛は、図左のように頭蓋内の脳血管により神経が圧迫されることが原因となっています。耳後方に小さく開頭し、神経から血管を離し圧迫を解除します(図右)。これにより高い確率(85-90%以上)で症状の改善、消失が得られます。

⑤手術で改善可能な認知症状を呈する疾患

慢性硬膜下血腫に対する穿頭術

慢性硬膜下血腫とは、頭部打撲後1ヶ月以上の経過で慢性的に頭蓋内(硬膜下腔)に血液が貯溜する病気で、歩行障害や頭痛、認知機能低下の原因となります。局所麻酔にて、頭蓋骨に小さな穴を開け血腫腔にチューブを挿入し排液する簡単な手術(図)により治癒します。

正常圧水頭症に対するシャント術

月単位で進行する歩行障害、認知機能障害の原因として、髄液の吸収障害により脳室が拡大する正常圧水頭症があります。髄液を腰部から抜くテストで改善が得られる場合、脳室あるいは脊髄腔と腹腔をチューブで繋ぐシャント術(図)で症状が改善します。治療で改善する認知症として、 当院では金曜日午前中に正常圧水頭症外来を設けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

⑥慢性難治性疼痛に対する脊髄刺激療法

慢性疼痛(痛みが3ヶ月以上続く)は原因がはっきりせずに既存の治療で改善しないものがあります。当院では、このような難治性の慢性疼痛に対し脊髄刺激療法を行っています。脊髄に微弱な電気刺激を与えることにより痛みを和らげるこの治療により5−7割程度の除痛効果が期待できますが、効果には個人差があり、この治療の適応とならない痛みもあります。一般的適応は下記のとおりです。

 ①腰の手術を受けたけれども残存する腰痛や足の痛み

 ②糖尿病による手足の痛み

 ③閉塞性動脈硬化症やバージャー病による手足の痛み

 ④原因がよくわからない腰痛や手足の痛みなど

日本ペインクリニック学会専門医 奈良井 康宏先生と一緒に診断、治療を行います。

スタッフ紹介

役職 氏名 資格・その他
医療局次長
(脳神経外科部長)
井川 房夫
(いかわ ふさお)
昭和61年卒
広島大学医学博士(平成6年)
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医・指導医・代議員
日本脳卒中の外科学会 技術指導医・代議員
日本脳卒中学会 脳卒中専門医・指導医・代議員
日本性差医学・医療学会理事
日本脳ドック学会理事
緩和ケア研修会修了
脳神経外科医長 日髙 敏和
(ひだか としかず)
平成10年卒
広島大学医学博士(平成21年)
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医・指導医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳神経血管内治療学会 専門医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本DMAT隊員
緩和ケア研修会修了
落合 淳一郎
(おちあい じゅんいちろう)
平成24年卒
日本脳神経血管内治療学会 専門医
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
緩和ケア研修会修了
脳神経外科医員 奥 真一朗
(おく しんいちろう)
平成30年卒
緩和ケア研修会修了
山本 悠介
(やまもと ゆうすけ)
令和2年卒
緩和ケア研修会修了
診療科について
ご来院の皆さまへ

一般外来診療時間

  • 診療受付時間
    午前8:30~午前11:00
  • 診療時間
    午前9:00~

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