適応外診療についてのお知らせ(化学的腸管前処置)
当院の「臨床研究・治験審査委員会」にて、下記の治療法が承認されました。病院ホームページにて情報を公開することにより、患者さん(若しくはそのご家族)から同意をいただくことの代わりとし、治療を実施します。適応外・禁忌使用の薬物により発生した副作用については、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となることがあります。
本件について拒否される場合やご質問がある場合は、下記の問い合わせ先にご連絡ください。
実施内容 | 化学的腸管前処置 |
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対象患者 | 大腸癌、小腸癌、炎症性腸疾患などで、大腸切除術、小腸切除術を受けられる患者さん |
診療科 | 外科・消化器外科 |
承認日 | 2025 年3 月10 日 |
目的・概要 | 大腸・小腸手術に対する腸準備として、前日に処置を行います。下剤を内服してもらい、腸管内に便が少ない状態で手術を行うためです。近年では、下剤による機械的前処置に加え、経口抗菌薬(カナマイシン、メトロニダゾール)を加えた化学的前処置を加えたほうが、術後感染症が減少することが報告されています。【消化器外科SSI 予防のための周術期管理ガイドライン2018】にも同様の記載があります。しかし、化学的前処置として使用する経口抗菌薬は感染性腸炎に対しての保険適応が認められており、腸管前処置に対しての使用は保険適応を有していません。
保険適応ではないものの、その有害性も少なく、国内・国外でも広く行われており、安全性と有用性が報告されています。
※SSI:(Surgical Site Infection)手術した場所の感染 |
予想される 不利益と対策 |
経口抗菌薬(カナマイシンまたはメトロニダゾール)に対してアレルギーを持たれている患者 さんには両薬剤とも投与しませんので、担当医にお申し出ください。 |
お問い合わせ先 | 島根県立中央病院 臨床研究・治験管理室 電話番号:0853-22-5111(代表) または担当医へ直接お申し出ください。 |