適応外診療についてのお知らせ(向精神薬によるせん妄治療)
当院の「臨床研究・治験審査委員会」にて、下記の治療法が承認されました。病院ホームページにて情報を公開することにより、患者さん(若しくはそのご家族)から同意をいただくことの代わりとし、治療を実施します。適応外・禁忌使用の薬物により発生した副作用については、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となることがあります。
本件について拒否される場合やご質問がある場合は、下記の問い合わせ先にご連絡ください。
実施内容 | 向精神薬によるせん妄治療 |
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対象患者 | せん妄と診断された患者、及びせん妄が疑われた患者 |
診療科 | 全科 |
承認日 | 2024年11月7日 |
目的・概要 | せん妄は、もともとある病気に身体的・環境的な負荷が加わり、一時的に意識障害や認知機能の低下が起こる状態です。せん妄では、意識障害などのために、点滴を抜いてしまうなどの行動化から身体疾患の治療遂行が困難となることがあります。頻度は高く、原因に応じた環境調整や薬物療法を実施します。 せん妄の薬物療法において、一部の抗精神病薬ハロペリドール、リスペリドン、クエチアピン、ペロスピロン等)は保険審査上認められていますが、その他の向精神薬アセナピン、アリピプラゾール、オランザピン、バルプロ酸ナトリウム、ブレクスピプラゾール、ブロナンセリン等)も、投薬によってせん 妄を静穏化する可能性がガイドラインなどで示されています。 個々の症状や背景に応じて、適切な薬剤を選択し、薬物治療を実施したいと考えます。それぞれの投与量は医薬品添付文書に則ります。 |
予想される 不利益と対策 |
向精神薬の副作用により、ふらつき、転倒、誤嚥、不整脈などのリスクが高まる可能性があります。また、クエチアピン、オランザピンは糖尿病の患者には使用禁忌です。そのため、向精神薬を使用する際には、採血や心電図モニターなど患者さんの状態に応じてモニタリングを行います。また、異常が認められた場合は速やかに減量もしくは中止し、適切に対処します。 |
お問い合わせ先 | 島根県立中央病院 臨床研究・治験管理室 電話番号:0853-22-5111(代表) または担当医へ直接お申し出ください。 |