適応外診療についてのお知らせ(高濃度カリウム注射製剤を用いたカリウム補正)
当院の「臨床研究・治験審査委員会」にて、下記の治療法が承認されました。病院ホームページにて情報を公開することにより、患者さん(若しくはそのご家族)から同意をいただくことの代わりとし、治療を実施します。適応外・禁忌使用の薬物により発生した副作用については、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となることがあります。
本件について拒否される場合やご質問がある場合は、下記の問い合わせ先にご連絡ください。
実施内容 | 高濃度カリウム注射製剤を用いたカリウム補正 |
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対象患者 | 当院で治療を受ける患者で低カリウム血症を来たした患者 |
診療科 | 全科 |
承認日 | 2024年11月7日 |
目的・概要 | 低カリウム血症に対する治療は内服でのカリウム補充を行いますが、重症の場合や内服困難な場合は注射剤を使用します。注射用カリウム製剤は、添付文書において、40mEq/L以下に希釈し20mEq/hrを超えない速度で使用することとされています。しかし、患者さんの症状によっては、輸液量を制限しなければ心不全に至るリスクが大きく、かつ速やかにカリウム値を補正しなければ不整脈を起こすリスクも大きくなります。そのため当院では、ICU(集中治療室)、HCU(ハイケアユニット)、NICU(新生児集中治療室)、血液浄化(透析回路内からの投与)において注射用カリウム製剤を高濃度の希釈で投与することがあります。 |
予想される 不利益と対策 |
カリウム補充により、予想より血清カリウム値が上昇することがあります。その場合、不整脈や心不全をきたす恐れがあるため、心電図モニターを装着して波形の変化に注意しています。また、頻回に血清カリウム値を確認し、異常が確認された場合は速やかに減量または中止を検討します。低カリウム血症が改善され次第、高濃度注射用カリウム製剤の使用は終了し、添付文書で定められた使用法へ移行します。 |
お問い合わせ先 | 島根県立中央病院 臨床研究・治験管理室 電話番号:0853-22-5111(代表) または担当医へ直接お申し出ください。 |