統合情報システムの運用と構成

統合情報システム

統合情報システムの運用と構成

図1.運用概念図

図1.運用概念図

統合システム(IIMS1)の概要と構成(図2)

図2.初代統合情報システム構成図

図2.初代統合情報システム構成図(IIMS1)

  • すべての情報は「IIMS(電子カルテ、受付予約情報、指示・実施・レポート情報の複合体)」に一元管理されています。ここから診療行為実施データ、診療材料使用データが物品管理システムと医事会計システムに流れ、さらに財務会計システムへ情報が流れる。救命救急部門やICUを含む全部門の電子化、ペーパーレス運用を実現しています。
  • 基幹LANはGiga-bit Ethernetで、末端は100Mbpsです。システムダウン回避のためネットワークはすべて二重化されています。(画像系LANとモダリティ系LAN部分は一重)
  • ハード構成:サーバはIIMSサーバ2台、医事会計サーバ2台のほか、後利用、物流、放射線など図1にしめす部門サーバからなっています。クライアントはデスクトップ端末607台、携帯端末145台で構成されています。
  • 放射線科読影部門(PACS corner)は4台の高精細モニターと2台のレポート作成端末を1ユニットとする4つのワークステーションで構成しています。
  • 情報の有効利用のため、後利用システムがあります。全てのデータが後利用システム(統計データベース)に転送蓄積されるもので、これにより経営分析データ(収益分析、費用分析、診療科別収支等)、診療分析データ(EBM、クリティカルパス,DPC)として活用されています。この後利用システムは利用可能な端末の数,設置場所を制限し,個人情報の取得については限定した権限付与を行って運用しています。

IIMS2の概要と構成(図3)

図3.第二世代統合情報システム構成図(IIMS2)

図3.第二世代統合情報システム構成図(IIMS2)

  • IIMSサーバ、医事サーバ、画像サーバ、RADONサーバ、給食サーバが新サーバに更新されました。LANは基本的に変化はありませんいが、看護系は無線LANへと一新しました。クライアントは24時間稼動を続けてきた端末は新端末に更新され、モニターは診療用は液晶モニターとして、ダウンサイジングをはかると共に、高精細モニターを部分的に導入し、完全filmlessへと移行しました。
  • 財務会計サーバ、総括調停サーバ、労務サーバ、資源管理サーバ、教育版サーバ、処方サーバ、後利用サーバについては、継続使用とし、Windows XP対応ほか機能更新を行いました。
  • 医事パッケージソフトはHOPE X-Win、画像系パッケージソフトはDr.ABLE-EXへとversion upしました。
  • 放射線科読影部門(PACS corner)は高速化と液晶高精細モニターの導入でダウンサイジングが可能となり、卓上にモニターを配して、コンパクトで高機能の5つのワークステーションに変貌を遂げました。
  • IIMS2の運用概念は基本的にIIMS1との間に変化はありません。ドッグイヤーと呼ばれるコンピュータの進歩により、5年間の機器、コスト面での進歩は著明で、その影響が運用面で充分に享受できる形となりました。処理速度については、全てのIIMS情報をテストセンターに持ち込み各種の負荷テストを施行しましたが、用いるアプリケーションにより一概な比較はできないものの、平均3~10倍程度の高速化を機器更新のみで認める事ができました。機器更新に機能更新を加える事により、それまでにあった電子カルテ使用上のほとんどの不満を解消しえたと考えています。
  • 無線LANへと移行した看護師端末についても、ダウンロード、アップロードの時間が不要となり、端末の損傷も減少し、リアルタイムの診療が効率をあげています。