ドクターヘリ
ドイツをはじめとした欧米諸国では、1970年代にすでに救急医療にヘリコプターが導入されていました。そこではヘリコプターによって多くの命が救われており、その有効性は誰もが認めるところでした。
欧米諸国に後れること30年、日本で本格的にドクターヘリが運航開始されたのは2001年4月のことでした。
日本で最初にドクターヘリが飛び立ってから10年、2011年6月13日、ついに島根県でもドクターヘリが運航開始となりました。
島根ドクターヘリは、救急医療に必要な機器および薬剤が搭載されており、救命救急センター外来の救急医療に精通した救命救急科医師および看護師が乗り込み、いち早く患者さんのもとに駆けつけることができます。ドクターヘリの最大の魅力は、現場で救急医療の専門的治療が開始できることなのです。脳卒中などの脳血管疾患・急性心筋梗塞などの心疾患・外傷など、救命救急センター外来で日常的に診療されているこれらの傷病は、早期に治療を始めることで救命率の向上および後遺症の軽減が期待できます。当院にはこれらの救急疾患に対応できるよう、それぞれの専門医が昼夜問わず常時待機しており、これまでにも多くの命を救ってきました。
なかでもドクターへリは、外傷において特に威力を発揮します。交通事故などの現場に出向き、現場で救急処置を行うこと、早く治療を開始すればするほど死亡率は減少します。
島根ドクターヘリは、基地病院である島根県立中央病院から島根県全域を概ね40分以内で到達することができ、島根県のどこにいても救急専門医の治療を受けることができます。
1日1件以上、年間600件以上の出動件数があり、島根ドクターヘリは島根県の救急医療に大きく貢献しています。
島根ドクターヘリは、島根県の救急医療に革命をもたらし、更なる進化を遂げています。これからも安全運航を第一に、多くの尊い命が救われることを願いながら、島根の空を飛び続けます。